AURALEE(オーラリー)は、メンズ、レディース両部門で年間で一番売れたブランドになるほど流行っているブランドです。
今回は2015年のオーラリーのブランドスタート時に店頭で実際にオーラリーを販売していた筆者が「流行りすぎ?」と感じるほどにオーラリーが流行った理由を紐解いていきます。
オーラリーが流行った3つのワケ
オーラリーが流行った理由には3つの流れがあります。
- 有力ショップのバイヤーの目に止まったクオリティと話題性
- ファッショニスタも唸る価格以上の品質
- 様々なテイストに対応できるデザイン
この3つが揃ってオーラリーは爆発的なトレンドの波に乗ることになりました。
バイヤーも注目!オーラリーの話題性
オーラリーのデザイナーは岩井 良太氏。
オーラリーを立ち上げる前は、FilMelange(フィルメランジェ) というブランドでデザイナーとして経験を積んだということは、色々な方が紹介されています。
あまりここまで知られていませんが、実は岩井氏の前にこのフィルメランジェのデザイナーをしていたのが、尾崎雄飛氏で彼がSUN/kakke(サンカッケー)という自身のブランドをスタートすることをきっかけに岩井氏が後任といてデザイナーに就任しました。
当時フィルメランジェは、糸の段階から天然素材に拘ったアイテムを展開しており、今では当たり前になったデザインでの付加価値ではなく、素材に拘った高品質なアイテム展開による付加価値をつけるブランド展開のパイオニアのような存在でした。
なので、フィルメランジェは玄人に好まれるブランドだったのですが、岩井氏がデザイナーに就任して若者にも目を引くような少しポップなアイテム展開をしたことでファン層を一気に広めました。
ただ、売れたもののブランドのイメージとは少し違った展開だったことで、業界からはブランドの展開の仕方に疑問符を持たれたりもしていました。
そういう状況もあり、岩井氏はもっと自分自身のやりたいことを実現するためにフィルメランジェを辞めて、AURALEEをスタートさせたワケです。
しかも、フィルメランジェのスタッフの多くを引き連れてAURALEEの立ち上げに至ったという話もあり業界的には嫌でも注目する存在でした。
ブランドスタートから際立ったクオリティ
ブランドスタートをした最初のシーズンからオーラリーのアイテムのクオリティは際立っていました。
特に目立っていたのが、定番アイテムでもある「スタンドアップTシャツ」
その名の通りTシャツだけで立ち上がった状態にできるほど、がっしりとした生地のTシャツです。
当時まだオーバーサイズのファッションは、海外のコレクションブランドが提案していたぐらいで日本ではまだ浸透していない時期でしたがオーラリーがスタンドアップTシャツを筆頭にして提案したことで一気に国内にも広がりを見せました。
今までなかったアイテムのクオリティと展開の仕方やタイミングもハマっていたなと過去を振り返ると感じさせられます。
オーラリーの価格以上の品質が流行るキッカケに
オーラリーのブランドの背景にあるのが「クリップクロップ」という機屋(生地問屋)
この生地問屋がバックグラウンドにあることがオーラリーが価格以上の品質を持つ大きな要素になっています。
オーラリーと横並びでSCYE(サイ)などのブランドを販売していましたが、クリップクロップはSCYEにも製品になる前の生地を販売していたりしました。
そうするとどうなるかというと、クリップクロップという背景があり自分たちで生地を持っているオーラリーは同クオリティの生地を使っていても生地問屋を挟んでマージン分を製品原価に上乗せしないといけないSCYEなどに比べて同じクオリティなのに価格差が生まれることになります。
なので、洋服好きのファッショニスタからすると「このクオリティの割にお手頃価格じゃないか?」と初見なのにオーラリーを手にとってしまうということが起こるべくして起こりました。
これもオーラリーが流行った理由の大きな一因です。
オーラリーが幅広い層に流行ったワケ
オーラリーが流行った理由のもう一つがカジュアルにもモードにも受け入れられるデザイン性です。
オーラリーがスタートした当時、路面店の各都市の有力ショップのみならず、メンズ・レディースともにカジュアルスタイルを引っ張っていたビショップ、ハイブランド思考で女性的なアイテムを好むファンを多く持っていたロンハーマン、ストリートやモードな提案をしている高感度ショップなど幅広い展開を見せました。
そして、どのテイストにおいてもオーラリーの存在感はすごく取り入れられないテイストがないというレベルでオーラリーのブランドは大きく広がりました。
デザインは古着をルーツに持っているアイテムが多いことで、取り入れ方次第でファッションが広がるというのがオーラリーの強みで大きく流行った理由の一つです。
オーラリーが流行りすぎと感じられるワケ
オーラリーが流行る時系列とインスタを筆頭にSNSが流行った時系列はリンクします。
それによって、ハッシュタグでオーラリーを付けておけば、いいね!やフォローがもらえるという意識でオーラリーに手を出した方も多いハズ。
そのせいで、本当の意味でオーラリーの良さをわかっているワケではない層にも流行ってしまったことが「流行りすぎ」と感じる大きな理由の一つです。
オーラリーより少し前に同じように「流行りすぎかけた」ブランド「COMOLI」がありましたが、COMOLIはWEB上の露出に制限をかけるなどコントロールすることでブランドイメージを今に至るまで崩さず来ていますが、オーラリーは爆発的な流行りを作り出す代わりにその点のコントロールはうまくできていないので、これからどれだけオーラリーがブランド力を保てるかは楽しみではありますね。